山の日 wikiでは、日本の国民の祝日「山の日」について、その成立の背景や日付の由来、2016年の制定から現在に至るまでの経緯を詳しく解説しています。山の日とは何か、なぜ8月11日が選ばれたのか、どのような社会的意義があるのかを知りたい方におすすめです。
本文では、山の日のプロフィールや制定運動の歴史、各地の独自の山の日、近年の話題や記念全国大会の情報も紹介し、山の日にまつわる疑問や最新動向を余すところなくお伝えします。
山の日のwikiプロフィール
山の日は日本の比較的新しい国民の祝日の一つで、毎年8月11日に定められています。国土の約7割を山地が占め、古くより山と共に生きてきた日本人にとって、山の恵みに感謝し親しむ機会を提供することを目的としています。
2016年に国民の祝日として正式に施行されて以来、山をテーマにした様々な社会活動やイベントが展開されてきました。
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 山の日(やまのひ) |
目的・趣旨 | 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する |
日付 | 毎年8月11日(固定) |
制定年 | 2014年(祝日法改正) |
施行開始 | 2016年8月11日より |
法的根拠 | 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)、及び同法律の一部改正法(平成26年法律第43号) |
特徴 | ハッピーマンデー制度の対象外、2020・2021年は東京オリンピック特措法により日付変更 |
成立の背景と趣旨
「山の日」の制定は、日本全国で山に対する関心や親しみを深め、山の恵みに感謝する機会を国民に与えることを目的としています。日本の国土の大部分が山であり、山は水源や森林資源、自然環境の基盤となってきました。
1945年以降多くの自然への感謝を示す祝日は存在しましたが、「山」をテーマにした祝日は長らくありませんでした。
1995年の「海の日」制定を契機に、山も自然の重要な一部として祝日に加える動きが活発化。2002年の国際山岳年をきっかけに改めて議論や運動が盛り上がり、地域レベルでも様々な形で「山の日」が制定されてきました。
やがて2010年に山岳団体が連携した制定協議会ができ、2013年に超党派の「山の日制定議員連盟」が設立されたことで国政レベルでの実現へとつながりました。
日付と法的根拠
山の日は、「国民の祝日に関する法律」の一部改正により2014年に制定されました。毎年8月11日を固定日としているのは、お盆休みの前に連続した休日を設定しやすいことや、漢数字の「八」が山の形に見え、「11」は木が並んでいるように見えることなどから、後付けながら「山」を連想させる日付として選ばれました。
ただし、こうした由来は公式な制定理由ではなく、あくまで後の解釈に過ぎません。
2020年と2021年は、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う特別措置により山の日の日付が移動されました。2020年は8月10日、2021年は当初8月9日とされましたが、8月9日が長崎原爆記念日であることを踏まえ、8月8日に変更されるという例外措置が取られました。
学歴と学生時代
制定に向けた草の根運動
山の日制定の動きは1961年の読売新聞報道に端を発し、立山大集会での制定提唱が初期のきっかけとなりました。その後、1990年代~2000年代初頭にかけて日本アルパイン・ガイド協会など山岳関係者や自然保護団体を中心に、地域での山の魅力発信や記念日の設定が進みました。
2002年の国際山岳年を契機に、山に関わる活動の活発化とともに本格的な国民祝日化の運動がスタート。2009年には日本山岳会が「山の日制定プロジェクト」を立ち上げ、報道発表や関係団体の協議を経て、2010年には「山の日」制定協議会が結成されました。
この段階で、学生や若者も参加する幅広い草の根運動が生まれ、議員連盟設立に向け力強いサポートとなりました。
地方自治体での「山の日」の始まり
国民の祝日となる以前から、地方自治体の独自の「山の日」制定は複数の県で見られました。2000年代以降、長野県・山梨県・群馬県・香川県などが条例や記念日としての「山の日」を設け、地域の特色を活かした山の啓発活動やイベントを開催。
これらの地方自治体の成功事例や経験が、国全体での山の日制定に好影響を与えました。地方独自の日付設定や名称の多様性は、国民の祝日としての「山の日」にも多様な意味づけの背景を生む一因となっています。
経歴・実績(年表・タイムライン)
年 | 出来事 | 所属・団体 | 肩書き・備考 |
---|---|---|---|
1961年 | 読売新聞に「山の日制定しよう」の記事掲載 | 立山大集会・読売新聞 | 山岳関係者が山の日制定を提唱 |
1992年 | 登山の日(10月3日)制定(日本アルパイン・ガイド協会) | 日本アルパイン・ガイド協会 | 国内定着には至らず |
2002年 | 国際山岳年により山の日制定が提唱 | 富士山エコ・フォーラム(静岡県富士宮市) | 制定運動の本格化 |
2009年 | 日本山岳会が山の日制定プロジェクト発足 | 日本山岳会 | 記者会見等で活動促進 |
2010年 | 山の日制定協議会設立 | 日本山岳協会他山岳団体 | 全国組織化のスタート |
2013年4月 | 超党派「山の日制定議員連盟」設立 | 国会議員(超党派) | 会長:衛藤征士郎 他110名参加 |
2013年6月30日 | 祝日案選定(8月12日案が採用) | 山の日制定議員連盟 | 後に変更される |
2013年11月22日 | 祝日を8月11日に変更決定 | 山の日制定議員連盟 | JAL123便墜落事故日回避のため |
2014年5月23日 | 祝日法改正成立(山の日法制化) | 衆議院・参議院 | 法的基盤確立 |
2016年8月11日 | 山の日として施行開始 | 国民の祝日 | 新設祝日としては9年ぶり |
2020年・2021年 | 日付をオリンピック特措法により変更 | 政府 | 2020年8月10日、2021年8月8日など |
経緯まとめ
- 1961年より山岳関係者の提唱が始まる
- 1990年代~2000年代に地方自治体で独自の山の日が誕生
- 2002年国際山岳年で制定運動が活発化
- 2009年から日本山岳会主導の制定プロジェクト
- 2010年以降、山岳団体連携と超党派議員連盟設立で国政実現へ
- 2014年祝日法改正で正式制定、2016年から施行
- 2020・2021年はオリンピック特例で日付変更
私生活・家族・エピソード
山の日にまつわる国内のイベント
山の日は国民の祝日として制定されて以降、全国各地で多彩な関連イベントが開催されています。中でも「山の日記念全国大会」は、2016年の長野県松本市を皮切りに毎年開催され、山に関する文化や環境、観光、安全など幅広いテーマを扱っています。
2025年は福井県での開催が予定されており、山と人の関わりを見つめ直す貴重な場となる予定です。
また、群馬県谷川岳や各地の自治体でも、ハイキングツアーや山の自然観察会、写真展、講演会など多彩な催しが行われ、家族連れや自然愛好者に親しまれています。夏休みの期間にあたるため、子どもたちに自然の大切さを伝える良い機会としても利用されています。
地域別の独自「山の日」とその取り組み
国民の祝日としての山の日制定以前より、地方自治体では独自の日程や名称で「山の日」を設ける動きがありました。例えば、長野県の「信州山の日」や山梨県の「やまなし山の日」、岐阜県の「ぎふ山の日」、香川県の「かがわ山の日」などが知られています。
これらは地域特性を生かした自然保護や観光誘致の取り組みとして発展してきました。
群馬県では国民の祝日制定を受けて、2016年に独自の「ぐんま山の日」を廃止し、代わりに8月11日の国の山の日に連動したイベント開催や啓発活動を行うようになりました。このような取り組みは、全国の自治体でも祝日の制定に合わせて連携が進み、地域の山への理解促進に寄与しています。
話題・最新ニュース/トピック
2025年の山の日記念全国大会開催【2025年08月11日現在】
2025年8月11日現在、山の日記念全国大会は福井県での開催が決定しており、全国および国際的な「山の未来」をテーマにした多彩なプログラムが準備されています。この大会は、山の日の趣旨を広く浸透させるとともに、環境保護や持続可能な山岳利用の推進を目指して行われています。
また、コロナ禍により2020年は延期された大会も、2021年以降再開されており、徐々に規模や参加者が回復してきています。地域のボランティアや山岳団体が連携し、山の日の意義を社会全体に伝える重要な役割を担っています。
東京オリンピックに伴う日付変更の特例
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせて、山の日の日付は特措法により8月10日に変更されました。新型コロナウイルスの影響で大会は1年延期されましたが、翌2021年も日付変更が行われ、オリンピック閉会式に合わせ8月8日に移動しました。
この変更には長崎原爆記念日と重ならないよう配慮がされるなど、歴史的な日付とのバランスが議論されました。こうした例は山の日がまだ歴史の浅い祝日であることを示しており、今後の祝日運用の参考例ともなっています。
アウトドアブームと山の日の影響
近年のアウトドア人気の高まりと相まって、山の日は登山やトレッキング、キャンプなど自然と親しむ機会を増やすきっかけとして注目されています。特に若年層やファミリー層の登山参加増加に貢献し、関連商品や観光地への経済的好影響も見られます。
一方で、人気の山域では混雑による環境負荷や安全面の課題も指摘されており、自治体や山岳関係団体は安全啓発や環境保護対策の強化に務めています。山の日はこうした課題意識を広める貴重な機会にもなっています。
山の日の魅力・評価・影響
国民の祝日としての意義と社会的効果
山の日が国民の祝日として新設されたことで、山と自然への関心が社会全体に広まり、山岳環境の保護や利用の理解促進に繋がっています。また、夏季休暇と重なることで、地域活性化や観光振興にも寄与。
家族や地域コミュニティで山に親しむ機会が増え、健康増進やレクリエーションの面でも社会的メリットが生まれています。
自然への感謝と文化的価値
日本人の自然観と密接に結びついた祝日であり、山の恩恵に感謝する精神は古来からの文化の延長線上にあります。山の日を通じて、山岳信仰や伝統行事、山と共に育まれた文化を再認識する動きも進んでいます。
学校教育や地域の自然体験プログラムにおいても、山の大切さを伝える教材として活用されています。
経済面へのインパクトと批判的意見
経済的には山岳観光やアウトドア用品市場の活性化などプラス効果が見られますが、批判的な意見も存在します。例えば、山の日が夏休み期間中であるため学校行事や企業の休暇に大きな影響が少ないことや、ハッピーマンデー制度の対象外で連休にならない年もあることから、祝日としての存在感や経済波及効果が限定的との指摘があります。
また、一部では「山の日が祝日として定着するにはまだ時間がかかる」との意見もあり、今後は日付の変更や制度面での見直しの可能性も議論されています。とはいえ、「自然に感謝する日」としての思想的価値は広く認められていることは強調されます。
よくある質問
はてな
- 山の日とは何ですか?
山の日は日本の国民の祝日の一つで、毎年8月11日に定められています。山に親しみ、その恵みに感謝するための祝日で、2016年から施行されています。 - 山の日はいつ制定されましたか?
山の日は2014年に国民の祝日に関する法律の一部改正で制定され、2016年8月11日から正式に施行されました。 - 山の日の制定の背景にはどんな理由がありますか?
山の日は日本の多くの国土が山地であり、山と共に生きてきた歴史から、山の恵みに感謝し親しむ機会を国民に提供するために制定されました。 - 山の日の日付が変更されたことはありますか?
はい。2020年と2021年は東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い、特別措置で山の日の日付が移動されました。 - 山の日はどのようにして国民の祝日になったのですか?
1961年の報道を始め、山岳関係団体や地方自治体の運動が広がり、2013年に超党派の議員連盟が設立され、国政での議論を経て祝日となりました。
まとめ
ポイント
- 山の日は2016年に正式施行された、日本の山の恩恵に感謝し親しむ国民の祝日である。
- 毎年8月11日に固定され、制定までには1961年からの長い草の根運動や地方自治体の先行例が背景にある。
- 制定の目的は山と自然への関心を深め、環境保護や地域活性化に寄与することにある。
- 山の日は全国で多彩な関連イベントが開催され、2025年は福井県で記念全国大会が行われる予定である。
- 近年のアウトドアブームとともに、登山や自然体験の機会を増やし経済的効果も見られる一方、環境負荷や安全面の課題も指摘されている。
- 祝日としての存在感や今後の制度面の見直し議論もあるが、「自然に感謝する日」としての文化的価値は広く認められている。
山の日の最新情報や関連イベントの詳細は公式ウェブサイトやSNSで随時更新されています。ぜひチェックして、山と自然の魅力を身近に感じてみてください。
また、山岳団体や自然保護に関わる人物の活動もあわせてご覧になることをおすすめします。